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1) 酒はどこで購入すべきか
酒は保存状況によって劣化する。これは、購入してからの状況はもちろん、購入に至るまでの経路にも適用される。
- 店舗に陳列されている際の状況
- 店舗に陳列されるまでの状況
- 流通経路
店舗に陳列されている際の状況として、照明が蛍光灯や直射日光が当たっていると、紫外線によって劣化する。
また、温度管理がされていない状況であると、温度変化によって劣化する。
ワインの場合は、湿度(乾燥)や振動によっても劣化する。
店舗に陳列されるまでの状況として、バックヤードに放置される時間が長いと、温度変化によって劣化する。
流通経路が複雑であると、製造(瓶詰め)時間が経過することを原因として、酒の鮮度が落ちる。
このため、特約店契約で販売されている酒については、特約店以外で購入すべきでない。
特約店以外で購入した場合は、品質が悪くなったものを高値で購入させられている可能性が高いからである。
2) 酒の香りや味の表現
フレーバーホイールと言われるものが存在するため、それに則した表現をすべきのようである。
参照元:http://www.kitasangyo.com/pdf/e-academy/tips-for-bfd/BFD_25.pdf
フレーバーホイールでは、ホイール内の分類で重複する表現を使用すべきでないということになっているが、どうしても重複させなければ表現できない場合が存在する。
この問題を解決するために「フレーバーツリー」が存在し、コーヒーに対するものの存在は確認できるが、酒類に対してはまだ存在しないようである。
Back to top3) アルコール度数の表現
アルコール度数とは、アルコール飲料におけるエタノールの体積濃度を示しており、日本においては、1度が1%に相当する。
エタノールの比重は0.79422であるため、アルコール度数1%は、100mlの液体にアルコールが1g含まれているとはならない。
英語圏においては、プルーフ(proof)で表記されることがあるが、アメリカ圏(US)が度数の2倍、イギリス圏(UK)が度数のおよそ1.75倍と、値が異なる。
日本で生活している状況において見かけるプルーフ表記の代表はラムの151proofであり、アルコール度数は75.5%である。
参考:
Back to top4) アルコール度数に対する感受性
人によって、アルコール(エタノール)度数に対する感受性が異なる。アルコール度数によって、その飲み物がアルコールの刺激しか感じられなくなる閾値があるというところである。
清酒の醸造アルコールは、アルコールによる刺激を味わいの一つとして添加しているため、自身がどれくらいのアルコール度数でアルコール由来の刺激を感じるか、もしくはアルコール由来の刺激しか感じなくなるかを認識しておかないと、製造側が期待する味わいを感じられていないことが考えられる。
以下に、アルコール度数に対応する代表的な飲み物を列挙しておく。
| 度数 | 代表的な飲み物 |
|---|---|
| 0% | 一般的なソフトドリンク |
| 2% | レッドアイ(ビール + トマトジュース) |
| 3〜6% | 一般的なビール |
| 5〜7% | ウイスキー シングル(40%, 30cc)の水割り |
| 6% | 一般的な、缶で販売されているチューハイやカクテル |
| 9% | サントリー ストロングゼロ |
| 10〜14% | ウイスキー ダブル(40%, 60cc)の水割り |
| 11〜14% | 一般的なワインやスパークリングワイン |
| 14〜17% | 一般的な清酒 |
| 17〜21% | 清酒(原酒) |
| 23〜30% | 一般的な焼酎 |
| 28% | ウイスキー(40%)のオン・ザ・ロック |
| 35〜40% | 焼酎(原酒) |
| 37〜50% | カクテルのベース(ウイスキー, ブランデー, ジン, ウォッカ, ラム, テキーラなど) |
| 68% | アブサン |
| 75.5% | 151プルーフのラム |
| 97.5% | スピリタス(ウォッカ) |
5) 吟醸香もしくは熟成香に関する考察
吟醸香もしくは熟成香は、エステル類や高級アルコールによって構成されていることになっている。
参照元:http://www.nada-ken.com/main/jp/index_ki/450.html
ただし、エステル類や高級アルコールの含有量が多ければ多いほどよいというものではなく、「マチュレーションピーク」というものが存在しており、このピークに合致したものが心地よい香りとなるようである。
マチュレーションピークに対する参照元:
ただし、吟醸香もしくは熟成香に対する人の感受性はまちまちであり、感受性の高い人間ほど過熟成で発生する溶剤(セメダイン)臭に敏感で、評価が辛くなるようである。
また、「特異的無嗅覚症」によって特定の香りを認識できない場合があるが、何に対する無嗅覚症であるのかを認識すること自体が難しいため、香りの評価はすべての人間が同様となるわけではないことを念頭に置いておく必要がある。
吟醸香の度合いを並べておくが、あくまで主観であり、正しいかどうかは不明である。
| 熟成度合い | 香りの表現 |
|---|---|
| 未熟 | ゴムのような硫黄臭 |
| | | 草から香るような青臭い香り |
| 最適 | フルーツを連想させる華やかな香り |
| | | マニキュア除光液レベルの、苦痛とは思わない溶剤系の香り |
| | | 木工ボンドの香り |
| 過熟 | 有機溶剤(セメダインとか)の香り |
たまに水彩絵の具のような香りを感じることがあるが、こちらはフェノール系の香りであり、原料由来のものであるらしい。
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