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料理にとろみを付けるための材料について。
Back to top1) 基本的な説明
料理において、とろみを付けるための材料には、おもに炭水化物(デンプン)が使用される。使用する炭水化物は、おもに以下のものである。
- 葛粉
- クズから精製。わらび餅を作る時くらいにしか使わなさそう。
- 片栗粉
- 流通しているのは、ジャガイモのデンプン。
- コーンスターチ
- とうもろこしのデンプン。
- 小麦粉
- 小麦を挽いたもの。
おおまかには、地中に存在するものか、地面より上に存在するかで特性を分類してよいらしい。
Back to top2) 温度特性と投入タイミング
それぞれの材料は、糊化(α化)する温度が異なり、料理に投入するタイミングが異なる。
- 葛粉や片栗粉
- 64℃〜85℃あたりで糊化する。
- 投入タイミングは、料理終了間際とする。加熱しすぎると、ゲルが劣化して粘度が落ちる。
- 乳製品と合わせると粘度が高くなりすぎてネバネバするので、使用しない。
- コーンスターチや小麦粉
- 93℃〜105℃あたりで糊化する。
- 投入タイミングは料理開始時とし、ルーやブールマニエの状態で投入する。
- 料理中に投入する場合は、水溶き状態にして投入する。
- 冷凍すると液体が滲み出てくるので冷凍しない。
- 酸性(pH4以下)の液体中では糊化しないので、酸性物質を加える場合は、粘度を上げてからにする。
3) 増粘剤として炭水化物を使用する場合の注意
炭水化物のα化を利用して粘度をあげるため、水分が必要になる。
料理に砂糖を使用している場合、砂糖が水分を吸収するため、粘度を上げるために必要となる時間が長くなる。
Back to top4) 自分で作る増粘剤
4.1) 水溶き片栗粉
片栗粉1に対して、水1〜2の容量で作成する。
料理に適用する際は回しかけるなどして、ダマにならないようにする。
4.2) ルー(roux)
同量の液状油脂と小麦粉を混ぜ合わせ、小麦粉に熱を通す。
作成しやすい方法としては…
- 火にかけずに、ダマにならない小麦粉と液体油脂を混ぜ合わせ、ペースト状にする。
- 火にかけて、ペーストから気泡が出てくるくらいまで加熱する(ホワイトソースを作るならば、ここでミルクを追加していく)。
- 火にかけ続けて、ペーストが色付き始めたら(俗にキツネ色と表現される色で)火を止める。
とろみを付ける際に作成するルーの目安は、水700mlに対して、小麦粉が36g(60ml)、液体油脂が33g(37.5ml)となっている。
4.3) ブールマニエ(Beurre manié)
ペースト状のバターと同量の小麦粉を熱を加えずに練り合わせる。
「ペースト状のバター」なので、バターを液体にしてはならない。
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