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炭火を使用して調理するときのいろいろ。
Back to top1) 熱源による違いを考慮した、炭火を選択する条件
炭火は、輻射熱で食材を直接熱することに適している。このため、調理方法が「焼く」の場合に炭火が選択肢として出てくる。
1.1) 炭火
練炭や木炭、備長炭を燃焼させて熱量を得る。
伝導熱を得ることよりも、輻射熱を得るほうに向いている。遠赤外線が多く発生するため、食材を直接加熱する場合は、ガスよりも有利に働く。
伝導熱を使用する場合は、鍋などに炭を直接触れさせることになる。
1.2) ガス
ガスを燃焼させて熱量を得る。
調理器具をいちばん選ばない方法であり、加熱方法として、輻射熱と伝導熱のどちらも利用することができる。
輻射熱を使用する場合は、輻射熱よりも、ガスが燃焼することで発生する空気の対流熱を使用しているイメージに近い。
伝導熱を利用せずに調理する(直接あぶる)場合、ガスが不完全燃焼していると、食材にガスの匂いが乗る。
1.3) IHクッキングヒーター
電磁誘導を利用して、鍋の底面を加熱する。仕組み上、伝導熱しか利用できない。
電気を使用する加熱方法としてはラジエントヒーターよりも効率的だが、以下の問題がある。
- IH対応の(底面に磁性を持つ)鍋しか使用できない
- 水を沸騰させたとき、発生する対流がガスの場合と異なる
- 鍋振りはできないと考えたほうがよい
1.4) ラジエントヒーターもしくは電熱器
ニクロム線など、通電させることで発熱する金属を使用して加熱するものである。熱源に有機物を触れさせることができないため、伝導熱しか使用できないことになる。
IHクッキングヒーターと違って、使用可能な調理器具は限定されないが、使用する電力に対して得られる熱量が少ないため、調理には向かない。
Back to top2) 炭火の起こし方
2.1) 煙突や火起こし鍋を使用する
熱源が下にあり、上に熱が昇っていく構造となる。このため、炭は容器内で積み上げずに縦に並べるようにする。
煙突や火起こし鍋の上空温度は非常に高くなっているため、上から覗いたり、手をかざしたりしてはならない。
火起こし鍋を使用する場合、カセットボンベが爆発するおそれがあるため、熱源にカセットコンロを使用してはならない。
2.2) 着火剤を使用する
着火剤を下にして、空気が通るように隙間を開けて炭を積み上げる。
着火剤は燃焼すると黒煙が発生するため、屋内で使用してはならない。
Back to top3) 火力の調整方法
炭は空気が供給されることによって燃えるが、調理中に空気を送ると灰が食材に付着するので好ましくない。
このため、炭と食材との距離で火力を調整することになる。
Back to top4) 炭の補充方法
燃焼中の炭に、燃料としての炭を補充する場合、補充する炭の周囲が燃焼するのに必要な温度になる必要がある。
- 七輪や珪藻土製コンロの場合は、燃焼中の炭の下に入れる
- バーベキューコンロなど、機材が熱を持つものの場合は、補充する炭を燃焼中の炭で囲む
5) 炭火の消火方法
炭が消火できたかどうかは、目視では判断できない。このため、確実な方法で消火する必要がある。
5.1) 水を使用して消す
金属製のバケツなどに水を入れて、その中に炭を投入する。投入した瞬間に消火できるわけではないので、多少の時間は放置することになる。
燃焼中の炭に水をかけても、すぐに水が蒸発するため、消火行為にはならない。
炭を再利用する場合は、中心まで乾燥させる必要がある。
5.2) 空気を遮断して消す
火消し壺などの密閉できる容器に炭を入れて、ふたを閉める。
空気を遮断してもしばらくは燃焼し続け、30分以上は放置することになる。また、火消し壺自体が熱せられるため、火消し壺は燃えやすいものの上に置いて使用してはならない。
特に処理することなく、炭を再利用することができる。
Back to top6) 調理内容の例
6.1) 開いた魚
炭火で開いた魚を焼く場合、思いの外早く焼き上がるので、複数枚同時に焼く必要はない。
- 炭から魚までの距離は、炭を少なめにして、10cm〜15cmくらいの「遠火」にする
- 網の上に、魚を身の面を下にして置く
- 皮がめくれてきたら、魚を裏返す
- 身の全体に火が通ったように見えたら、火から下ろす
アジの開き(干物)の場合は、調理時間の目安は4分/枚となる。
6.2) ステーキ
- 焼く前に、肉を常温に戻す
- 火加減は、網から5cm上空に手をかざして、5秒まで耐えられるくらいの火力にする
- 焼き始める直前に塩をまんべんなく振りかける
- 焼いている面の下から5mm程度が白くなっているくらいで裏返す
- 裏返したら、網に触れている面以外の面に、刷毛で油を塗る
- 同様に、焼いている面の下から5mm程度が白くなるくらいまで焼く
- コショウで香り付けをする
- 側面も焼ける形状の場合、焼ける側面を1分ずつ焼く
- 火が強くない位置、もしくはアルミホイルでくるんで3〜5分休ませる
最初の面の焼き時間は4分が目安となる。
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